新居靖子/Yasuko Nii

新居靖子のブログです。

五感

友人の一言「五感がないのよね〜」
!!!
あるコンサートで聴いた知り合いの演奏、下手ではないんやけど、ずっとメトロノームが聞こえてくるような機械的な弾き方で、長かったのもあって申し訳ないけど苦痛に感じてしまった・・・。
いわゆる縦切りで下に弾く演奏っていうやつですね。
その話を友人にしたら、一言「五感がないのよね〜」って。。。
確かにね。
ご自身は音楽的に練った演奏をしてると思っておられるけど、知識だけ豊富って感じ。
常にコントロールしていかに素晴らしく弾くかってことばっかり考えているみたいやけど、音楽や楽器とはどれだけ素直に接するか・・・なんやけどなぁ。
全く逆やねんけどね。
でもコントロールしないって簡単にできるこっちゃないんで、そんなことは知らんほうがええかもね。

五感って目に見るもんじゃないので、音楽とつなげるってわからない人にはわからんやろうけど、五感の感じない演奏ってつまらないよね。
やはり知識ばっかりってのは困りもの。
でも知らない、気づかない、これが幸せかもね。

本番ではミスなく安定した演奏で、止まるなんてもってのほか。
これが一番重要で当たり前の知識。

そんなつまらない人も大勢やね。

私はほんまに幸せやなって思うのは、ドイツ人の先生になってからミスすることや止まるってことに対しての意識が変わったこと。
日本人先生にはもちろんミスしないように厳しく言われたけど、ドイツ人の先生からは一度も言われたことがないのよね。
逆にミスなく弾くと何でミスしないのか?って怒られる。。。(^_^;)
もちろん誰にでもそんなことは言わないけど、ただ機械的でミスしない練習しかしてこなかった人は、それが先生にバレバレやからね。先生は気に入らないのよね。
今なら私もよくわかる・・・どんな演奏がそれなのか・・・。


最近響いた言葉
【 つもり違い十カ条 】
・高いつもりで低いのが教養
・低いつもりで高いのが気位
・深いつもりで浅いのが知恵
・浅いつもりで深いのが欲望
・厚いつもりで薄いのが人情
・薄いつもりで厚いのが面皮
・強いつもりで弱いのが根性
・弱いつもりで強いのが自我
・多いつもりで少ないのが分別
・少ないつもりで多いのが無駄


まさにその通り。


ピアノの演奏ってその人がそのままが音になって表現されてしまう。
いくらレッスン通って勉強して練習してもピアノという楽器は素直。
ピアノの演奏も”つもり違い10か条”そのままやね。

五感を磨くってことや、経験を積むってことがどれだけ大切か。。。
でもそれだけじゃあかんけどね。


来月は野上さんとの初ジョイントコンサート。
彼女は私とは全く違うタイプやけどほんとうまい!!!
今回は彼女から、大好きな曲をたくさん聴いていただけるチャンスをいただきました。
ロシア人のマリアンからプレゼントされた楽譜や、マティアスからもらった曲やら、大好きな曲ばかりです。

五感。
音を味わい、音色を香り、肌で空気を感じ、耳をすまし、自然体での演奏。

今の自分の五感を演奏に生かし素直にピアノと向き合う、今できる自分そのまんまで・・・。


小さな会場ですが、もしお時間がございましたらお越しいただけるとうれしいです。
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